デビュー35周年!「マンガ界の魔術師」CLAMPの知られざる名作アニメ2選

『カードキャプターさくら』や『X』といえば、創作集団「CLAMP」の代表作品です。1989年のデビュー以来CLAMPの人気は衰えず、2024年7月3日にはCLAMP展が開催されます。CLAMP作品から、アニメにどっぷりハマった方もいるのでは。そこでAT-DXでも、CLAMP作品を特集!編集部厳選のCLAMP作品を2つ、ご紹介します。

●『こばと。』

【あらすじ】
天然でかわいらしい少女・花戸小鳩(はなと・こばと/CV:花澤香菜)には、「行きたい所」がありました。そしてそこに行くためには、人々の傷ついた心を癒し、その心のカケラをビンいっぱいに集めなければなりません。

小鳩は天然な性格で、いきなり「傷ついた人はいませんか~?」と街で呼びかけてしまいます。そんなある日、小鳩は通りかかった「よもぎ保育園」の仕事を手伝うことに。しかしよもぎ保育園は、とある事情から廃園の危機にさらされていて――?

柔らかい色使いやかわいらしいキャラデザインの通り、『こばと。』は癒され度の高い作品です。不器用ながらも、一生懸命「人を癒やそう」とするこばとを見ると、こちらも癒やされてしまいます。

ただ、さすがCLAMP作品というべきか、「癒される」だけでは終わりません。園長の沖浦清花(おきうら・さやか/CV:折笠富美子)や、そこで働く藤本清和(ふじもと・きよかず/CV:前野智昭)は、それぞれ複雑な事情を抱えています。

そして小鳩と、青い犬のぬいぐるみ(?)いおりょぎの存在も、謎に包まれています。小鳩は確かに天然ですが、その常識のなさには違和感があります。いおりょぎもただのぬいぐるみではないらしく、その正体やこの姿になった理由も、後々明らかにされていくのです。

小鳩の「行きたい所」とはどこなのか、無事カケラを集めることはできるのか…。『Wish』や『ちょびっツ』など、他のCLAMP作品のキャラクターがよく出てくるため、CLAMPファンなら特に楽しめそうな作品です。

『傷ついた心、癒させてください!』 おしゃれで可愛い天然少女、小鳩。ちょっと不思議で正体不明のこの少女には、「行きたい所」があるらしい。その希望を叶えるためには、傷ついた心のカケラを「ビン」いっぱいに集めなければならない。傷ついた心は、小鳩に癒やされることで金平糖のようなカケラになってビンの中へ。 偶然、人手不足の保育園をお手伝いすることになった小鳩。だがそこはトラブルで廃園の危機をむかえている保育園であった。園で働く青年<藤本清和>、園長の<沖浦清花>や園児たちそして多くの人々にふれ合い、小鳩の心に変化を与えていく。 小鳩はたくさんの傷ついた心を癒やし、保育園を救うことができるのか?そして、小鳩を導く不思議な犬のぬいぐるみ(?)いおりょぎの正体とは・・・?

●『不思議の国の美幸ちゃん』

【あらすじ】
普通の女子高生である美幸(CV:國府田マリ子)は、寝坊してしまい慌てて学校に向かっていました。すると、「遅れる~!」と言いながらスケートボードで走る、バニーガールに追い抜かれます。驚きつつ走っていた美幸は、うっかりマンホールの中に落下。

目が覚めると、そこは「不思議の国」と呼ばれる場所でした。そこには、扉に埋まった女の子がひとり。「どうぞ、この扉からお入りになって!」という彼女でしたが、その扉にはノブが見当たりません。「どこ?」と聞く美幸に、女の子が示してきたノブの場所とは――?

『不思議の国の美幸ちゃん』は、『魔法騎士レイアース』と同時期に連載されていた原作をアニメ化しています。が、こちらはちょっと大人向けです。『不思議の国のアリス』のように異世界に迷い込む美幸ちゃんですが、そこで会うのは皆、怪しい美女ばかりなのです。

チャイナ服の双子にセクシーなチェシャ猫、ハードコアな女王様…次々と美女に出くわしては、押し倒されたり「靴をお舐め!」と怒鳴られたり。セクハラ(?)ざんまいの異世界で、「やめてー!!」と逃げまどう美幸ちゃんは、一体どうなってしまうのでしょうか。

この作品は1話30分で完結しており、前半は『不思議の国の美幸ちゃん』、後半は『鏡の国の美幸ちゃん』です。『鏡の国の美幸ちゃん』でも、脱衣麻雀ならぬ脱衣チェスが繰り広げられ、負けた駒は叩かれて脱がされるという、トンデモ展開に…!

しかも、声優陣はかなり豪華です。椎名へきるさんに緒方恵美さん、丹下桜さんに松本梨香さんなど、「この人がこの役を…!」という配役に驚かされます。設定の理解も必要なく、ただCLAMPの美しい世界観と、きれいで怪しいお姉さんたちを見て楽しめる作品です。

人気作家CLAMP原作の少女コミックをOV化。脚本は「カードキャプターさくら」もてがけた大川七瀬が担当。普通の女子高生、美幸は学校に向かう途中にスケートボードで追い越していくバニーガールに遭遇する。何事かと追いかけている途中に運悪くマンホールに落ちてしまう。気が付くとそこは“不思議の国”と呼ばれるところで、目の前には扉に埋まった女の子がいた…。

CLAMP作品は美しい作画とメッセージ性が魅力ですが、作品によって切り口や作風がガラッと変わるのも、楽しいポイントです。ある作品に、他のCLAMP作品のキャラが出てくることもよくあるので、いろいろな作品を知れば知るほど楽しめるでしょう。CLAMP展に行く方はもちろん、知られざる名作を探している方は、ぜひご視聴ください!

※配信状況は、記事掲載時のものです。
(著:新美友那)