完走勢「見るだけで泣ける…」 OPが変わるアニメ4選

アニメを見ているとついつい飛ばしがちなOPですが、ちょっと待ってください。本編内容に合わせて変化していき、もはやOPだけでも楽しめてしまうアニメがあるんです。一時停止しまくりながら見たり、何話も並べて比較しながら見たり…本編並に何度も見たくなってしまうほど、作り込みのものすごいOPも。この記事では、そんな「OPが変わっていくアニメ」を4作品ご紹介します。

●『ef - a tale of melodies.』

ある日、学校の屋上で出会った火村夕(ひむら・ゆう/CV:遠近孝一)と雨宮優子(あまみや・ゆうこ/CV:中島裕美子)。優子はなぜか、夕のことを知っている様子でした。優子は去り際に「今でもあなたのこと、憎んでいます」と夕に告げます。

後日、同級生の広野凪(ひろの・なぎ/CV:伊藤静)の買い物に付き合っていた夕は、その後を優子に尾行されていました。優子のことを思い出した夕は、「俺にあの頃を思い出させるな」と忠告して――?

『ef - a tale of melodies.』は、ゲーム『ef - a fairy tale of the two.』を原作としたアニメです。『ef - a tale of memories.』の続編にあたる本作は、それぞれ事情を抱えた登場人物たちの群像劇が描かれ、OPもその展開に合わせて色や描写、歌詞まで変わっていきます。

OPテーマの『ebullient future』は英語の歌詞で、物悲しい曲調です。登場人物たちもモノクロかつ、心を閉ざしているかのような真顔で描かれています。

ところが本作のOPは作り込みがすごく、その細かさは「シャフトの本気」とコメントがつくほど。第2話、第3話…と話が進むにつれ、色がついたり表情が明るくなったりしていくのです。

鬱回のOPでは、急に画面から登場人物も歌も消え、背景だけが流れたため「『人でなし』ということ?」と考察する視聴者まで現れました。

各回の違いはかなり細かく、紙飛行機の動きやまばたきの有無など、ちょっとしたシーンにも意味がこめられています。特に最終回では、歌詞が日本語&フルカラーになり、ラストには感動の追加演出が。本編を見た方は感涙必至です、ぜひティッシュ片手にご覧ください!

火村夕と久瀬修一――傷を背負った二人の男。
音羽の恋人たちを見守り続けてきた火村。彼の心に去来する、かつて愛した女性・優子との喪われた日々……。病に侵され、夢を捨てた久瀬。天真爛漫な少女・ミズキとの出逢いが、彼の灰色の毎日を変えていく……。過去と現在、時間と場所が交錯し、美しくもせつないドラマの旋律(メロディー)が奏でられる。

●『結城友奈は勇者である』

讃州(さんしゅう)中学校2年生の結城友奈(ゆうき・ゆうな/CV:照井春佳)は、皆のためになることを「勇んで(いさんで)」実施する部活、「勇者部」の部員です。保育施設で人形劇をしたり、迷い猫を探したりと、日々楽しく過ごしていました。

ある日、急に友奈とその親友の東郷美森(とうごう・みもり/CV:三森すずこ)の携帯電話が鳴ります。携帯の「樹海化警報」という表示に、動揺する友奈たち。さらに人類の敵・バーテックスに襲われた友奈たちは、急きょ「勇者」に変身して戦うことに…!

『結城友奈は勇者である』は、『暗殺教室』「ようこそ実力至上主義の教室へ」シリーズの岸誠二が総監督を手がけた、オリジナルアニメです。OPは登場人物たちの活躍や新キャラの登場に合わせて変わりますが、一番特徴的なのは「満開ゲージ」の変化です。

「満開ゲージ」は、勇者の衣装についている5段階のゲージです。ゲージは戦闘を経てたまっていき、そのため込んだ力を「満開」で解放すると、衣装が変わり戦闘力が高くなるのです。戦闘や満開の状況に合わせ、OPの満開ゲージも登場人物別に変化していきます。

なお満開には、序盤で明かされない重大な秘密があります。その秘密を知ってからOPの変化を見ると、OPの受け取り方がかなり変わるでしょう。友奈たち勇者部が歌うOPテーマ『ホシトハナ』の歌詞「ああ 真実ほど人に残酷なものもないのだろう」も意味深です…。

結城友奈(ゆうきゆうな)は朝起きて、支度して、学校へ行き、授業を受けて、部活して、友達と遊んで…。そんな普通の日常を過ごしている中学2年生。あえて特殊な点をあげるなら、彼女の所属する部活は「勇者部」。その活動内容とは?不思議な存在、バーテックスとは?神世紀300年、少女たちの物語―。

●『Angel Beats!』

「ここは…どこだ?何も思い出せない」。音無結弦(おとなし・ゆづる/CV:神谷浩史)が目を覚ますと、そこは見覚えのない学校でした。声をかけてきたのは、銃を持った少女・仲村ゆり(なかむら・ゆり/CV:櫻井浩美)。「ようこそ、死んでたまるか戦線へ」。

ゆりによると、ここは死後の世界であり、何もしなければ神様に消されるとのこと。そしてゆりが銃で狙っているのは、白髪の生徒会長、通称:天使(CV:花澤香菜)でした。事態を飲み込めない音無は、天使に近づき話しかけます。が、おもむろに刃物で腹を刺されて――?

『Angel Beats!』は、『CLANNAD』『AIR』を手掛けたKey所属のシナリオライター、麻枝准(まえだ・じゅん)さん原作のオリジナルアニメです。OPは、物語の進行に合わせて人物紹介が増減しつつ、回想シーンも話数に合わせて変わっていきます。

本作の舞台は死後の世界ですが、とある条件を満たすとその世界からも「消える」ことがあります。そして、消えてしまった登場人物は、次のOPでも登場しなくなってしまうのです。さらに、本編を見た人なら分かる伏線が、OP内にも複数ちりばめられています。

OP曲『My Soul,Your Beats!』のタイトルや歌詞、天使の胸に光が落ちた後は必ず音無のカットが入ることなど…一度見た方も、ぜひもう一度ご確認ください。なお、第4話の特殊OPはライブ風で、ユイ役の喜多村英梨さんではなく、LiSAさんがOP曲を歌っています。

舞台は死後の世界
運命に立ち向かう少年少女たちの物語

なんらかの理由で最後を遂げた少年・音無は、死後の世界の学校で、ゆりと名乗る少女と出会う。

●『Vivy -Fluorite Eye’s Song-』

史上初の自律人型AIであり、複合テーマパーク「ニーアランド」のキャストである、ヴィヴィ(CV:種﨑敦美)。ヴィヴィは「歌でみんなを幸せにする」という使命を果たすため、ガラガラの客席にもめげず、日々ステージで歌っていました。

しかしある日突然、ヴィヴィは何者かの接触を受けます。接触してきたのは、クマのぬいぐるみに似たマツモト(CV:福山潤)でした。マツモトは「100年後の未来からやってきたAI」を名乗り、「未来の戦争を回避するため、僕と一緒にAIを滅ぼしてほしい」と言い出して――?

『Vivy -Fluorite Eye’s Song-(ヴィヴィ ‐フローライトアイズソング‐)』は、『Re:ゼロから始める異世界生活』の原作者・長月達平さんがシリーズ構成・脚本を務めたオリジナルアニメです。OPでは、終盤に映される建物「アラヤシキ」が、物語の進捗に沿って変化します。

アラヤシキは、巨大AI産業会社OGCが建築している、AI無線通信用の電波塔です。つまり、アラヤシキが伸びれば伸びるほど、AI技術が発展していることになります。マツモトによれば、100年後の未来には、頂上が見えなくなるほど伸びてしまうのだとか。

そうならないよう、マツモトと一緒に歴史の修正を行っていくヴィヴィですが、無情にもOP終盤のアラヤシキは少しずつ伸びていくのです。100年という長期間のストーリーであることに合わせ、その建築様式も2度変化。時代の移り変わりを表しているのだそうです。

なお、第5話のOPは、歴史を2度修正した後の特殊OPです。他の話数のOPと比較しながら見ると、「心を込める」ことの意味を知ったヴィヴィの成長が伺えるでしょう。「進撃の巨人」シリーズを手がけたWIT STUDIOの、美麗な作画にも注目です。

“ニーアランド”、それは夢と希望と科学が混在したAI複合テーマパーク。
史上初の自律人型AIとして生み出され、施設のAIキャストとして活動するヴィヴィは日々、歌うためにステージに立ち続ける。しかし、その人気は今ひとつだった。
――「歌でみんなを幸せにすること」。

変化していくOPは、本編を知らない人でも十分楽しめるコンテンツといえそうです。ただし、本編を見たほうが、ずっとその変化を楽しめるのも事実。どの変化が何を表しているのか考察しながら、ぜひ本編もセットでお楽しみください!

※配信状況は、記事掲載時のものです。
(著:新美友那)