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第71話 9月の空の下

視聴終了日:2025/03/31 23:59
イップスに陥る沢村。人が変わったように静かに五輪の書を読む。その姿を金丸はじっと黙って見守る。クリスもまた沢村のイップスを知りながらも、沢村ならスランプを飛躍に変えると信じていた。一方、同室の倉持は、あまりの落ち込み方を気にして御幸に相談するが、ふたりはスタンスの違いから口論になってしまう。心配する周囲をよそに、黙々とランニングを続ける沢村。そして、その表情は徐々に前を向いてきて――
ダイヤのA(第52話~)

エピソード一覧

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第52話 負けたくない
続く青道と稲城との試合。成宮の相手は4番の結城。激突を制したのは成宮だった。読んでいたはずのチェンジアップが、手元で沈む……。改めて成宮の実力を思い知る青道ナイン。その裏、青道のピッチャーは降谷。注目の投球は、第一打者のカルロスを驚かせるほどのものだった。文句なしの立ち上がりで、三者連続三振! だが、成宮も負けじと三者三振。試合は投手戦の様相を呈し始める。そしてその裏、稲実の攻撃は――。
2
第53話 ギアチェンジ
拮抗状態のまま3回を終えた決勝戦。神宮球場の外野席も数年ぶりに開放され観客が増えてゆく。市大三高の真中達は、テレビ中継で試合を見守っていた。稲城は成宮のピッチングで伊佐敷をセンターフライに打ち取る。続く青道バッターは4番ファースト・結城。成宮の目つきが変わる。チェンジアップを見せ球にストレートで結城を三振、流れを作るとスリーアウトチェンジへ。成宮の本気――青道ベンチに不穏な空気が流れ始める。
3
第54話 託す信頼、応える勇気
5回表、降谷が青道2本目のヒットを飛ばす。取られた点は自分で取り返す!強気のピッチングで流れを引き寄せる降谷。続く8番レフト門田は送りバントでランナーを三塁へ進め、青道同点のチャンスが訪れる!そして9番ライト・白州が成宮のストレートを狙い打った!!制球が先か白州の足が速いか!?「走れっ」思わず叫ぶ青道ベンチの伊佐敷たち。果たして結果は……!?そして五回裏、ついにエース・丹波がマウンドに上がる。
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第55話 強い男
エース・丹波が二死満塁を凌ぎ盛り上がる青道ナイン。残り4回――ここで追いつきたい青道だが、成宮・原田の稲実バッテリーはピッチングを変えバッターを塁に出させない。執拗に低い球の指示を出す原田。伊佐敷は高く浮いたチェンジアップを捉え走り出すが、球が伸びずスリーアウトチェンジ。悔しがる成宮の姿に、クリスは稲実バッテリーの思惑が気にかかる。そして攻守交替のタイミング、倉持はついに亮介を呼び止める。
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第56話 決断
7回表、結城の大きな当たりをカルロスが好捕する。反撃の狼煙を摘み取られた青道は、稲実バッテリーの巧妙な組み立てと攻守隙のないプレーに徐々に追い詰められていく。絶望的な空気を振り払おうと声を張る沢村。しかし劣勢の7回裏、丹波の足がつるアクシデント。気合で吉沢を三振に討ちとるがついに限界が訪れる――緊張が走る青道ベンチ。片岡監督の采配は、投手交代、ピッチャー沢村!ついに成宮と沢村の正面対決!!
6
第57話 頼もしい後輩達
成宮から三球三振を奪う沢村。御幸の強気のリードと沢村の度胸が、試合の空気を変えた。そしてクリスは、成宮のチェンジアップの使い方には偏りがあると見抜く。片岡監督は翻弄されているチェンジアップへひとつの答えを出す。「チェンジアップは捨てる」――本来の攻めの姿勢を取り戻す青道高校。攻守交替でバッターボックスに立つのは、7番レフト降谷。成宮は三振を取られたリベンジに勝気なクロスファイヤーを投げる!!
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第58話 前を打つ男
倉持が執念のスリーバントスクイズを決め、1点追加の青道。得点圏にランナーを置いた青道は、亮介に代わり、代打春市!!3打数3安打打率10割のラッキーボーイ春市に、ベンチの期待も高まる。対して全力でねじ伏せたい稲実。春市の木製バットを見た成宮はいきりたつ。打席に立つ春市――亮介に憧れて始めた野球、少しでも近づきたくて重ねた努力、そして兄の一言「お前なら打てる」――春市、チャンスを繋げられるか……!?
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第59話 怖いもの知らず
4番結城とエース成宮の真っ向勝負。厳しい攻めにも必死に食らいつく結城のバット。稲実バッテリーはチェンジアップで勝負に出る。甲子園に行く――強い想いで投げる成宮!体勢を崩す結城だったが、脅威の集中力でなんとタイムリーツーベース!8回表、4番の一撃でついに青道高校逆転!!思わずベンチで涙する丹波。荒れる成宮。そして、沢村の投球は続く。残り2イニング、果たして試合に勝ち甲子園に行くのはどちらなのか!?
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第60話 孤独な太陽
9回表、4対3と青道高校1点リードで進む最終回。劣勢の稲城実業。苦しい表情の成宮。青道は降谷の進塁打で御幸を三塁に進め、チャンス到来。「甲子園のマウンドはもっと暑かった・・・」成宮は去年の甲子園での敗北を思い返す。自分の暴投で負けた試合、どん底を味わった夏、そして必死に這い上がり執念で今日を迎えたこと――「負ける気がしない」。稲実ナインは、孤独な完全主義者であるエース成宮に全幅の信頼を置いて守備につく。
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第61話 執念
9回裏、あとふたつアウトを取れば青道の勝利。決勝戦9回の独特な空気は、想像を絶するプレッシャーとなって沢村を襲う。異様な精神状態へと追い込まれていく沢村。稲実バッターはセンターのカルロス。ベースに覆いかぶさるように立ち、デッドボール覚悟のインコース封じに出るカルロス。稲実の執念に飲まれそうになる沢村……。「逃げてたまるか――」3球目、気持ちをぶつけた沢村の投球にカルロスはバットを合わせた!
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第62話 天王山
川上の球を見極めた3番・吉沢は、フォアボールで塁に出た。投手交代を挟み、2アウトから連続四死球、稲実は得点圏にランナーを置き、4番・原田が打席に立つ!勝利目前にして、最大の試練が訪れる青道高校。最後の守備タイムを取り、伝令にエース・丹波が走る。今までやってきたことを信じよう――円陣を組んだ青道ナインは咆哮する。長打を警戒した守備で試合再会。ここを守りきれば甲子園……!ついに決勝戦の勝敗がつく!!
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第63話 残響
9回裏、劇的な幕切れ――2時間53分の死闘はエース・成宮のヒットにより、稲城実業の逆転勝利となった。2大会連続、甲子園出場の切符を手に入れた稲城実業。崩れ落ちる青道ナイン、目を細め上を向く片岡監督、呆然とする応援席――。夢の舞台まであとアウトひとつ届かなかった……。深々と礼をする青道高校。西東京大会決勝戦青道対稲実は、4-5Xで稲城実業の優勝。青道高校の名門復活を懸けた夏は終わった。
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第64話 リスタート
決勝戦に敗れ、意気消沈する青道メンバー。春市はずっと部屋で膝を抱えていた。そんな春市にかける言葉がなく戸惑っていた前園だったが、いつまでも自分の殻に閉じこもっている春市の姿を見て、自分の素直な気持ちをぶつける。「俺は心のどこかでこの日を待っとったで。一年でベンチ入りしとるお前に、スタンドにおったやつらの気持ちは分からんやろーけどな」。前園の言葉にハっとした春市はバットを握り立ち上がった。
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第65話 日の当たる場所
3年生が引退し、2年生中心の新チームで練習を始める青道高校。新キャプテンとなった御幸は「勝つことにはとことん貪欲でありたい」と意気込みを語る。片岡監督は猛暑の夏休みを利用してチームの基礎作りを徹底して行う。そこには、これまで3年生の影に隠れていた外野の白州健二郎、サード樋笠昭二、1年生の金丸信二や東条秀明の姿があった。しかし、そんなチームの雰囲気に川上はひとりついていけないでいた。
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第66話 よそ者
稲城実業が宿泊するホテルは、連日のTV中継を見たファンに囲まれていた。明日は決勝戦――成宮はチームメイトへ頭を下げる。そんな成宮の姿に驚く稲実ナイン。そしてついに、市大三高、仙泉学園、青道高校が中継を見守るなか、全国4059校の頂点を決める戦いが始まる。「俺もあの舞台に立ちたい」――甲子園のマウンドに立つ成宮の姿は、沢村の気持ちに火をつけた。そんな青道の練習風景を不気味に眺めるひとりの男がいた。
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第67話 発奮材料
なかなか噛み合わない青道の新チーム。練習試合の成績は8勝4敗、得点力に乏しく圧倒的な勝利はまだない。起爆剤になればとの想いから、片岡監督は薬師の練習試合を受ける。結果、薬師戦が発奮材料となり、2年生の打線のつながりは戻り、1年生はスタメン入りを目指し必死にアピール。意気込む沢村へ御幸は失投の多さを注意した。轟雷市に打たれたホームランを思い出し歯噛みする沢村。闘志を燃やすのは薬師もまた同じであった。
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第68話 エースの座
青道対薬師戦、4回表1対0。乱打戦も想定された試合はまさかの投手戦になっていた。薬師の1年生ピッチャー三島を打ちあぐねる青道。薬師もまた、降谷を攻略できずにいた。降谷は雷市も打ち取り、三者凡退を決め悠然とマウンドを降りる。その姿には確かな成長が見えた。夏の大会での先発経験が生き、投球から無駄な力みが減っていた。降谷の成長を肌で感じる青道ナイン。着実に先へ進む降谷の姿に、ベンチの沢村は慄然とする。
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第69話 負けらんねぇ!
薬師戦は7回表。降谷へ期待の言葉をかけながらも交替を告げる片岡監督。6回を無失点に抑えた降谷。その姿は観客達に、長らくエース不在の青道高校に絶対的エース誕生か?と期待させる。対する薬師高校も、エース真田が登板。マウンドに立つ真田の気迫に圧される青道ナイン。アウトをとるたびに盛り上がる薬師ベンチ。真田の姿に降谷が重なり、沢村の闘志が燃え上がる!「リリーフ投手の役目?ふざけるな!エースになるのは俺だ!!」
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第70話 Next Stage
7回裏にくっきりと刻まれた4点。スコアボードが沢村の失態を物語っていた。マウンドには再び降谷が立つ。沢村はベンチに戻り、タオルを被り泣いていた。完全な暴投で3点目を許し茫然自失、カバーに走ることもできない――。交替を告げられた沢村は、悔し涙を流してマウンドを去る。「降りたくない。もう二度と戻ってこれない気がする。ここで降りたら、俺は――」その姿は、好ピッチングを続ける降谷とはあまりに対照的だった。
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第71話 9月の空の下
イップスに陥る沢村。人が変わったように静かに五輪の書を読む。その姿を金丸はじっと黙って見守る。クリスもまた沢村のイップスを知りながらも、沢村ならスランプを飛躍に変えると信じていた。一方、同室の倉持は、あまりの落ち込み方を気にして御幸に相談するが、ふたりはスタンスの違いから口論になってしまう。心配する周囲をよそに、黙々とランニングを続ける沢村。そして、その表情は徐々に前を向いてきて――
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第72話 最後の教え
秋季大会一次予選を順調に勝ち進める青道高校。しかし、降谷を育てるため秋大会は捨てるべきだという落合コーチと、チームの底上げを図る片岡監督の意見は対立したままだった。降谷は確実にエースとしての自覚を高め、前園も3番クリーンナップのプレッシャーにもがく。新チームは少しずつかたちを作り始めていた。そして、イップスに苦しむ沢村の前にはクリスが現れる。アウトローを磨け――クリスの言葉にハッとし、沢村に新たな闘志が燃える。
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第73話 継承
結城から片岡監督の退陣を聞かされ愕然とする3年生たち。夏大会終了直後に辞任願いを出したことを知り、責任を感じる。「何か自分達にできることはないか」。翌日、片岡監督は新チームへオフの合宿メニューを課す。終わりの見えない走りこみが続き、精神的に鍛えられる部員達。手を抜こうとするメンバーを叱咤する前園。落合が次期監督だと悟った御幸は、前園を頼もしく思う反面、何も言わない片岡に戸惑っていた――。
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第74話 道しるべ
片岡監督の辞任を知った1、2年生。ベンチに動揺が走る。なぜ秋大会前に引退試合が組まれたのか――、3年生の想いに気づく現役メンバーだったが、どう応えていいか分からない新チームは浮き足立ち、見かねた伊佐敷は怒鳴り声をあげる。困惑する御幸の脳裏に、結城の言葉が思い起こされる。「お前がチームの道しるべになれ――」。覚悟を決めた御幸はメンバーを鼓舞する。1、2年生チームに、ようやく闘志の炎が燃え始める!
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第75話 その場所を目指して――
9回表に前園が待望のホームランを打ち、試合は3対3の同点へ。そして9回裏、ついに御幸は沢村に登板を言い渡した。「俺が知りたいのはただ一つ、今のお前がチームに必要な戦力かどうか」。御幸の言葉を受けた沢村は、降谷・川上の好投に続くことができるのか?対する3年生チームは、代打にクリス。自分を導いてくれたクリスへと、全身全霊でアウトローを投げる沢村。ボールは沢村の想いや成長を乗せて、クリスへ語りかける!