放送10周年!あの頃を思い出す「アニバアニメ」3選 ~2014年10月クール~

2014年10月に放送開始されたアニメが、ついに10周年を迎えました。振り返ってみたところ、10年前の作品とは思えないほど色褪せない名作を発見!その中でも特に見ていただきたい、AT-DX厳選の「アニバーサリーアニメ」を3作品、ご紹介します!

●『SHIROBAKO』

【あらすじ】
制作会社「武蔵野アニメーション」で制作進行を担当している、社会人1年目の宮森あおい(CV:木村珠莉)。原画の回収やトラブル対応など、日々現場を走り回りながら仕事に励んでいます。そんなあおいには、ある夢がありました。

それは、「上山高校アニメーション同好会の仲間たちと、一緒に商業アニメを作ること」。彼女たちはそれぞれ脚本家や声優を目指しているものの、その達成度はメンバーによってバラバラです。日々の仕事に精一杯なあおいたちは、夢を叶えられるのでしょうか。

『SHIROBAKO』は、『ウマ娘 プリティーダービー』や『Angel Beats!』を手がけるP.A.WORKS制作のアニメです。「お仕事シリーズ」の2作目として人気の高いこの作品は、アニメの制作過程とその裏側を、かなりリアルに描いています。

「アニメを作る仕事」は一見楽しそうですが、現場はかなりシビアです。原画に演出、撮影と多くの人が関わる分、その進捗はヒヤヒヤするほど綱渡りになることも…。「1話こけたらドミノ倒しになる」というTVシリーズ特有の危機を、皆で必死に乗り越えていきます。

そんな日々のなか、元同好会メンバーは時々集まりますが、その活躍ぶりにも差が。それでも励まし合いながら頑張る彼女たちの姿は、社会人視聴者の涙腺を刺激します!仕事の辛さも楽しさも丸ごと届けてくれる本作の良さは、10年経った今も変わりません。

武蔵野アニメーションの新人制作進行のあおいを中心として、アニメーション制作現場で起こるトラブルや、葛藤や挫折などといったアニメ業界の日常を描く群像劇。

●『結城友奈は勇者である』

【あらすじ】
讃州中学校2年生の結城友奈(CV:照井春佳)は、皆のためになることを「勇んで(いさんで)」実施する部活、「勇者部」の部員です。その活動内容は、保育施設で人形劇をしたり、迷い猫を探したりと、いたって平和。友奈たちは、日々楽しく活動していました。

ある日、友奈とその親友の東郷美森(CV:三森すずこ)の携帯電話が鳴り、画面には「樹海化警報」という表示が。あたりはカラフルな樹海に覆われていき、謎の敵・バーテックスまで襲来します。動揺する友奈たちですが、急きょ「勇者」に変身して戦うことに!

『結城友奈は勇者である』は、「勇気」をテーマに作られたオリジナルアニメです。作画の雰囲気もかわいらしいこの作品、序盤は「魔法少女もの」っぽく見えます。しかし後半にはあまりにも重い真実が隠されており、実は「鬱作品」としても有名なのです。

友奈たちは勇者として戦うことで「満開ゲージ」を溜め、全てゲージを溜めると強大な力が宿って「満開」が発動します。ただしその後は、ある「隠された機能」も発動。その内容はあまりにも悲惨ですが、友奈たちが真実を知らされるのは、隠し機能の発動後なのです…。

隠し機能だけでなく、バーテックスや勇者の存在すら、友奈たちは後から知らされます。何も知らず巻き込まれるにはあまりにも重い「お役目」を、彼女たちはまっとうできるのでしょうか。隠し機能の真実を知った方は、ぜひOP映像も見返してみてください。

結城友奈(ゆうきゆうな)は朝起きて、支度して、学校へ行き、授業を受けて、
部活して、友達と遊んで…。
そんな普通の日常を過ごしている中学2年生。
あえて特殊な点をあげるなら、彼女の所属する
部活は「勇者部」。その活動内容とは?
不思議な存在、バーテックスとは?
神世紀300年、少女たちの物語―。

●『グリザイアの果実』

【あらすじ】
「普通の学校に入って、普通の学生生活を送りたい」と願う風見雄二(CV:櫻井孝宏)は、私立美浜学園に転入しました。しかし学園は高い塀に囲まれ、通っている学生も「訳あり」な女子5人のみ。実は雄二自身も、山奥で師匠と暮らしていた「訳あり」なのです。

メイド服のクラス委員・小嶺幸(CV:清水愛)や、ツンデレを演じている松嶋みちる(CV:水橋かおり)など、癖しかない女子たちと交流を深めていく雄二。彼女たちとの学園生活を通して、雄二はそれぞれの抱える過去を知ることになり――。

本作の原作ゲームは、「萌えゲーアワード2011」の大賞(金賞)を受賞。特にストーリー展開が評価されています。本作にもその良さは受け継がれており、3話までのラブコメ展開は4話以降で一変。生徒一人ひとりの重いトラウマが、徐々に明かされていきます。

彼女たちの過去は、ここには書けないほど鬱度が高く、見ていて思わず顔が歪むほど。1話冒頭の不穏なキャッチフレーズ「生まれてきたことが既に間違い」「生き残った罰」などが、そのトラウマの深さを物語っています…。

特に、10話以降は「とある事故」を扱うエピソードが始まりますが、その内容はある意味死ぬより辛い展開です。作品としては面白いものの、どのエピソードも鬱度が高いので、感受性の高い人は引きずるかも…。できれば食事前を避け、覚悟のうえでご視聴ください。

私立美浜学園――。 一見すると普通の学園だが、そこには『訳あり』の5人の学生しか在籍していない。 その場所に、新たな6人目の学生――風見雄二――が転入することになった。
個性と言うにはあまりにも異質な学生達と、 彼女らに劣らぬほどのアクの強い自我を持った風見雄二。 互いに触れあううちに理解を深め、少しずつ干渉しあうことで、 それぞれの内面へと影響を与えていく。
過去に囚われた彼女達の物語が 今、動き出す――

放送から10年経っても評判の3作品は、まさに名作。どれも見応えがあるうえ、『SHIROBAKO』は劇場版が、『結城友奈は勇者である』『グリザイアの果実』は続編が制作されています。根強い人気は面白さの証でもあるので、この機会にぜひご覧ください!

※配信状況は、記事掲載時のものです。
(著:新美友那)