放送10周年!あの頃を思い出す「アニバアニメ」3選 ~2014年7月クール~
時が経つのは早いもので、「2014年7月」といえばもう10年も前です。当時、あなたはどんなアニメを見ていましたか?「もう10年前なの!?」と驚きつつもう一度見たくなるような、放送10周年の「アニバーサリーアニメ」を3作品、ご紹介します!
●『アルドノア・ゼロ』
【あらすじ】
時は西暦2014年。15年前に火星と戦争した地球では、高校の必須科目に人型兵器の軍事教練が組み込まれていました。一方、火星の第一皇女アセイラム・ヴァース・アリューシア(CV:雨宮天)は地球と和平を結ぶため、親善パレードを行おうと日本を訪れます。
日本では、高校生の界塚伊奈帆(かいづか・いなほ/CV:花江夏樹)たちがパレードを見に来ていましたが、突如会場にミサイルが落下。火星は地球との休戦協定を破棄し、地球へ騎士たちを降下させます。火星による地球侵略が始まったのです。
あおきえい監督と、ストーリー原案の虚淵玄さんという、『Fate/Zero』コンビが手がけたオリジナルアニメ『アルドノア・ゼロ』。音楽は、「進撃の巨人」シリーズを手がけた澤野弘之さんが務めており、OP「heavenly blue」の歌唱はKalafinaという豪華さです。
この作品は、日本と火星にそれぞれ主人公がいます。日本の主人公は、普通の高校生として生きてきた伊奈帆。火星の主人公は、地球人でありながら火星に住み、虐げられながらも火星の騎士として戦うスレイン・トロイヤード(CV:小野賢章)です。
対照的なふたりの運命はところどころで交わるうえ、ふたりとも火星のアセイラム姫に思いを寄せてしまいます。それぞれの主人公は、それぞれどんな結末を迎えるのでしょうか。10年前の作品とは思えない美しい作画で、戦争のシビアな現実を描き出す作品です。
●『東京喰種トーキョーグール』
【あらすじ】
東京には、人々に絶望を与えている怪人がいました。人間にまぎれて生活し、人間を狩っては喰らう「喰種(グール)」です。警察や[CCG](喰種対策局)に守られながらも、人々は喰種におびえながら生活しています。
ある日、読書好きの大学生・金木研(かねき・けん/CV:花江夏樹)は、「悲劇」というしかない事態に見舞われます。彼はとある事故の結果、喰種の内臓を移植されてしまったのです。「半喰種」となった金木は、人間でも喰種でもない自分の存在に苦悩して――?
『東京喰種 トーキョーグール』は、同名マンガ(著:石田スイ/集英社)を原作としたアニメです。原作の累計発行部数は、全世界合計で4,700万部を突破。美しい作画とダークな世界観が人気で、10年経った今も「6時間かけてイッキ見した」という人がいるほどです。
第4期にあたる最終章が2018年冬まで放送されていたため、そこまで「昔の作品」という感じはしないかもしれません。しかし第1期放送からは約10年経っており、2024年3月には10周年プロジェクトの特設サイトが公開されました。
単に「人 VS 喰種」のバトルものというわけではなく、人間をうらやむ喰種や、喰種と愛をはぐくむ人間もいます。そんな歪んだ世界の中で、金木は自分の居場所をどう見つけていくのでしょうか。人気の作品ですがグロ表現がそれなりにあるので、視聴の際はご注意を!
日常に隠れて生きる、正体が謎に包まれた“喰種”の脅威に、人々は恐れを感じ始めていた。
読書好きの平凡な大学生・金木研(カネキ ケン)は、通いつめる喫茶店「あんていく」にて、自分の好きな作家・高槻泉(タカツキ セン)の小説を愛読する神代利世(カミシロ リゼ)と出会う。
それが自らの運命を大きく変えることになるとは知らずに…。
人間の命を奪い、喰い、生き永らえる怪人の存在に疑問と葛藤を抱きつつ、あるべき世界のあり方を模索する青年の未来は――?
●『ばらかもん』
【あらすじ】
「まだ若いのに、型にはまった字を書くね」「実につまらん字だ」。そう言ってきた書道展示館の館長(CV:三木俊彦)を、思わず殴ったイケメン書道家、半田清舟(CV:小野大輔)。周囲の雑音から離れて書道と向き合うため、半田は一人である島へ赴きます。
そこは、1時間に1本しかバスが通らないような、小さな田舎町でした。案内された家はどの設備も古く、ネズミが走り回る始末。そのうえ、島の小学1年生・琴石なる(CV:原涼子)まで押しかけてきます。一人になりたい半田の、にぎやかな島生活が始まります。
作品のタイトル『ばらかもん』は、舞台である長崎県・五島列島の方言で「元気者」という意味です。その通り、半田の周りにはなるを始め、元気な島民たちが集まってきます。自由でのびのびとした島民たちを見て、半田は少しずつ「自分らしさ」を見つけていくのです。
シリーズ構成・脚本は、『ゆるキャン△ SEASON3』や「ウマ娘」シリーズを手がけた、ピエール杉浦さんです。また、作中で半田が書く作品は、書道家の原雲涯さんが書かれています。また、2023年7月にはドラマ化もされており、作品人気の高さが伝わってきます。
都会で育った半田が、島民との交流を通して自分と向き合っていく姿に、「自分らしさとは何か」と考えさせられます。明るく楽しく癒やされつつ、ふと自分とも向き合いたくなるハートフルアニメです。
10年前の作品とはいえ、今回の「アニバアニメ」は作画もストーリーも秀逸なものばかり。昔見た方も未見の方も、これを機にぜひもう一度見てみては?10年越しの再視聴は、新たな発見があるかもしれません!
※配信状況は、記事掲載時のものです。
(著:新美友那)
鋼で作られた巨人を駆って。
地球人類を殲滅するために。
それが『アルドノア・ゼロ』。この壮大な物語を実現するために、圧倒的な力を持った作り手たちが集結した。
心の奥底に踏み込む、強烈な筆力を持った書き手、虚淵玄。美麗かつ大胆な映像表現で、見る者の予想を遙かに超えてみせる、あおきえい。虚淵が原作、あおきが監督をつとめたアニメーション作品『Fate/Zero』以来、この二人が再びタッグを組む。アニメーション制作はA-1 Pictures、そしてあおき自身も参画するTROYCAが務める。
またキャラクター原案として志村貴子が名を連ねる。その繊細な人物の佇まいは、星間戦争を生きる人々の姿を切なく写し出すものだ。さらにメカニックデザインは新鋭、I-Ⅳが担当。音楽では澤野弘之が作品に重厚な趣を与える。
彼らが描き出すのは、鮮烈なアクション、微に入り細にわたる設定、真に迫る戦争の恐怖、そして、真摯な思いが織りなす人々のドラマだ。それは王道の、しかし誰も見たことのない、全く新しいロボットアニメとなる。
『アルドノア・ゼロ』。
この作品は、僕たち地球人類に宣戦布告する。
君は迎え撃たねばならない。
さやわか(物語評論家)