灰羽連盟
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灰羽連盟

エピソード一覧
目覚めると、彼女は繭の中にいた。繭から出たラッカを出迎えたのは、「灰羽(はいばね)」と呼ばれる、背中に灰色の羽と頭に光輪を持つ少女たちだった。
灰羽たち新しい仲間の誕生を喜び、少女を歓迎する。
リーダー格のレキは、名前も記憶もなくした混乱する少女に夢の話から名を授けた。
空から落ちる夢、故にラッカ。
ほかの仲間から光輪を授けられ、灰羽の一員として暖かく迎え入れる。
 その夜、ラッカの背中から皮膚を突き破り羽が生える

不思議なグリの街で不思議な仲間たちとの生活が始まる
廃墟のような建物、オールド・ホームでの暮らしが始まった。
看病をしてくれたリーダーのレキは孤児院で子供たちの面倒をみたり、カナは時計屋で働いていたりと灰羽は各々、仕事を持つ決まりだという。
 羽根の生えたラッカは背中の空いた古着を買いに街へでかける。
灰羽はお金を持つことが許されず、かわりに手帳にサインをするだけで支払いは灰羽連盟がしてくれるという。灰羽は灰羽連盟に護られた特殊な存在らしい。
 にぎわう市場で休憩をしていると突然、張り詰めた空気があたりを包む。穏やかな人々の暮らしの中に現れる仮面をつけた行商人トーガ、暗号のような会話を交わす話師(わし)。彼らには灰羽も街の人間も許可なく近づくことは許されないという。

ラッカは灰羽手帳を受け取るため、初めて寺院を訪れる。会話が禁じられた厳粛な雰囲気の中、手帳を入手し、正式にグリの街の住民となる。
仕事が決まっていないラッカはレキの部屋を訪ねたり、子供たちの世話を手伝ったりする。するとラッカからパンケーキの匂いがすると子供達が騒ぎだし、一斉に「パンケーキが食べたい!」の大合唱。仕方なしにパン屋でバイトしてるヒカリの店へ買い物に出かけるラッカは 街へ向かう道中、クウと合流する。 クウは年長組、最年少のため仲間の手伝い仕事をしてるが、新参者のラッカよりも先輩。 得意げに街を案内するクウだが、ピントのぼけたガイドぶりに苦笑するラッカ。無邪気で純真なクウがラッカの不安を少しだけ和らげてくれる。
朝、不思議な夢にうなされて目がさめたラッカ。まだここが現実なのか?灰羽となった自分の境遇に実感がわかない。
 灰羽は必ず仕事に就かなければならない。
仕事を決めるため、ラッカはカナの勤める時計屋を見学する。グリの街の中心に位置する時計屋で遅刻したカナは親方に叱られる。職人気質の厳しい親方にラッカは驚くが、まるで動じない陽気なカナと共に仕事を手伝い始める。仕事おわりにカナはラッカを時計塔の上に連れていく。
 グリの街を囲む壁を目にする。ラッカは自分と この世界と人間との関係について考えを巡らせる。
仕事を決めるために図書館で働くネムの手伝いに来たラッカ。そこでボロボロの古い絵本「世界のはじまり」に心を奪われる。
 ネムは同僚のスミカが出産のため図書館を休職するにあたり、かつてふたりで解読しようとして断念した「世界のはじまり」の続きを完成させてプレゼントしようと計画をしていた。しかし、なかなか物語の結末が見つからず、困っていたネム。ラッカはネムと一緒に物語の続きを考え始める。それは 灰羽たちの出自の謎、閉ざされた街の真実、そして外の世界への憧れなど 自分たちにとっても 外の世界へ行くことをあきらめたスミカにとっても大事な物語だった。
ある日、ラッカは自分だけの部屋を求めて迷宮のようなオールド・ホームの探索をしていた。そこへ現れたクウはラッカに冬用のコートをプレゼントするという。子供ならでは純真さ中にどことなく影のあるクウ。最近は
大好きなはずのホットケーキの朝食にも現れなかったり、自分が狙っていたお薦めの部屋をラッカに教えたり、様子がどこかおかしい。
ラッカの胸に漠然とした不安が芽生え始める中、空模様が急変。雷鳴が響き、オールド・ホームは闇に包まれる。
 冬の訪れを待たずに穏やかだった日常が変わっていく。
ラッカは深い悲しみに囚われ、自身の存在意義を見失っていく。仲間たちや街の人々との暖かな日常の中でも 孤独感に苛まれるてしまう。
 偶然出会った別なエリアの灰羽少年、ヒョコとの会話をきっかけに、ラッカの抑えていた感情は爆発してしまう。

「私なんていなくなっちゃえばいいんだ」―― 自己否定の闇に沈むラッカの耳に、不意に聞こえてきた烏の鳴き声。
それはこの世界に来た際にみた「夢」の中の声だった。
自分はどうして「灰羽」になったのか、「灰羽」とは何なのか、自分は果たしてここにしてもいいのだろうか? グリの街の人々の優しさに接するたび、ラッカは自身を問いつめてしまう。
 夢の中に登場した鳥、カナとゴミすてにいったときにであった鳥、そしてオールドホームでおきた異変を知らせてくれた鳥。同じ鳥であるかもわからないが、どこか自分を見守り、何かを知らせようとする鳴き声に ラッカは衝動的に飛び立つ鳥の後を追って森へと行ってしまう。そこは灰羽にとっては危険な場所である西の森だった。
誤って西の森の井戸に落ち、閉じ込められたラッカ。寒さと孤独に震える中、救いの手を差し伸べたのはトーガだった。
消えてしまったクウのことを尋ねるもトーガは無言のまま立ち去ってしまう。追いかけるうちにラッカは街を囲む壁の前に立っていた。壁からクウの声が聞こえた気がして、ラッカは壁に触れてしまう。
 突如、現れた話師から壁に近づいたことを責められるとラッカは井戸の中であったことを話師に語る。
 無事に西の森を抜け戻ったラッカを見つけて一安心する仲間達だが、ラッカが壁を触ったことを知るとレキの表情が一転する。壁に触れた灰羽にはその報いがあるのだ。
少し落ち着きを取り戻したラッカだが熱は下がらない。看病に疲れ仮眠をとったレキは夢を見た。
繭から誕生した時の自身の忌まわしい記憶。寄り添ってくれた自分を育ててくれたクラモリと同じ年齢のネムの姿。目を覚ましたレキは再びラッカの部屋に向かう。カナの買ってきた解熱剤では熱は引かず症状は改善していなかった。苦しむラッカを見てレキはひとり灰羽連盟の寺院へと向かう。レキは症状に効く薬草がそこにあることを知っていた。 レキを迎え入れたのはラッカを助けた話師だった。
 ろくに看病もせずにラッカを追い出したと話師を責めるレキに話師は ラッカが既に罪憑きの試練を乗り越えたことと、レキに残されてた時間が残り少ないことを告げる。
寺院での仕事を任され、一人前の灰羽として生活するラッカ。
年少組のダイの引っ越しに付き添い、別な灰羽の居住区を訪れたラッカは偶然にもレキの過去や心の傷を知ってしまう。

 自分の名の起源でもある「夢」を思い出せないレキ。自身と同じように拠り所のない悲しさを誰よりも感じながらも自分を助けてくれたレキの背負ってきた苦しみに気づいたラッカ。レキの助けになりたい一心でラッカは再び、灰羽連盟の寺院を訪れ、話師に相談をする。だが話師は残酷にもラッカにレキに残された時間は少なく、更にレキを救うことは、自らレキとの別れを招く行為であることを告げた。
レキはひとりで部屋に閉じこもる時間が増え、仲間達からも距離を置き始めた。静かに見守ろうという仲間の声に賛同はしつつも、何かレキの力になりたいと願うラッカは街に買い物にきたヒョコたちに相談する。

 年越しの儀式、過ぎ越しの祭の日もオールド・ホームに一人残るレキ。
鈴の音が街に響き渡る中、ラッカたちは廃工場エリアに向かう
祭りの喧騒と静寂が織りなす不思議な夜。
 ラッカの願いは、果たして叶うのか?
過ぎ越しの祭の晩、仲間達が眠るゲストルームを抜け出しラッカはレキの部屋に向かう。その部屋は壁や天井は黒く塗りこめられ、どろどろとした赤い月が描かれ、床には一面の砂利と線路が描かれていた。

「これが私の繭の夢」

更に罪憑きの試練を乗り越えたラッカを嫉んでいたと語るレキ。
ラッカは心を痛めながらも話師からレキに託された「本当の名」が入った木箱を手渡す。
夢から目をさますと、そこには頭に光輪を持ち、羽の生えた天使のような少女達が迎えてくれた。 ラッカと名づけられた少女は壁に囲まれたグリの街での暮らしをはじめる。
高い壁にかこまれた街は「灰羽連盟」という組織に護られた不思議な街だった。ラッカと暮らす仲間も人ではなく「灰羽」と呼ばれ、特別な存在なのだという。言伝えによれば灰羽はその時がくると壁の外に飛び立たねばならないという。 どうして灰羽になったのか。自分が何者だったのか。穏やかなグリの街の生活を続ける中でやがて自分の、そして仲間の謎が明らかになっていく---。
©安倍吉俊・光輪密造工房

キャスト・スタッフ

キャスト


ラッカ:広橋 涼
レキ:野田順子
クウ:矢島晶子
カナ:宮島依里
ヒカリ:折笠富美子
ネム:村井かずさ
クラモリ:久川 綾

スタッフ


原作・脚本・シリーズ構成:安倍吉俊 ※「吉」は上部が「土」の機種依存文字が正解です
監督:ところともかず
助監督・設定補佐:大森貴弘
キャラクターデザイン:高田 晃
デザインワークス:キムヒロミチ
色彩設計:遠藤菜緒美
美術監督:片平真司
音楽:大谷 幸
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