第7章　さよなら…いつまでも…

鳴沢家の朝は、唯のお弁当作りから始まる。そして、『お兄ちゃん』こと近藤誠を起こしにいくのだ。
ある日、アイドルスターの舞島可憐が学園に現れた。超多忙でなかなか登校できない彼女が、お昼休みに独りでいるのを見つけた誠はお弁当を分けながら語り合う。
進路の悩み、マネージャーの束縛にうつむく可憐を励ます誠。そんな誠の優しさに恋心を抱く可憐は、生放送番組のインタビューに狼狽してしまう。
月曜日、仕事中の可憐に会いに行く誠を複雑な気持ちで送り出す唯。海辺の水着撮影現場でプロダクション側の汚い思惑を知った誠は、可憐を誘う。
「逃げよう！」・・・

今日も窓の外は雨模様。幼なじみ・水野友美の沈んだ表情に心配した誠は声をかけるが、何故か彼女は目をそむけるばかり…。
さらに、芳樹をデートに誘う友美の姿は誠にとって衝撃的だった。気懸かりな誠は芳樹が誠の部屋から友美を盗撮していた事を知る。
友美の憂い顔の原因はその写真…！誠は怒りの鉄拳を芳樹にお見舞いした。
デートの約束の場所にネガを渡しに現れた誠を『共犯』と取った友美は、逃げるように人込みに消えた。追えない誠…。

自宅の庭で憂鬱の原因を灰に帰す友美に唯が話しかける。
「お兄ちゃんは、そんな人じゃないから…」
「････わかってた。誠クン、優しいから････」

夏休み、誠は唯たちと高原のリゾートホテルを訪れた。
彼は成り行きから、プールでアクシデントを起こした相手・田中美沙とのテニス勝負を引き受ける。
強気に振る舞う彼女は、誠の表情にかつての恋人を思い出していたのだ。
揺れる心が癒しを求めて誠の胸へと……。

とある病院から誠の足下に飛んできた紙ヒコーキは、薬袋で作られていた。
その宛名“杉本桜子”は、まだ一度も登校したことのない、誠のクラスメートのものだった。
窓から彼女の病室を訪れた誠は、その憂える瞳に魅入られるように逢瀬を繰り返すこととなるが……。

突然、誠はこずえから告白された。『大好き』と……。折りしも街はクリスマスムード一色。
誠はこずえからイブのデートにも誘われた。
それを知った唯は西園寺有友のパーティに出かけるが、表情は沈みがち。
その頃、誠とこずえのデートはとんでもないアクシデントが起きていた…！

冬至村の明王院で行われる弓道の試合、同級生の篠原いずみが出場するするとあって、会場へ急ぐ誠。
だが、着いたときには試合は終わり、いずみは不本意な成績に肩を落としていた。
誠はマフラーをいずみにかけて慰めるが、それは唯から送られた、手編みのマフラーだった……!?

最後の弓を放ち、いずみはようやく集中を解いた。見守って誠に、満足そうに微笑みかける。
どちらからともなく二人は唇を重ねた。抱きしめたいずみの身体は、意外なほど華奢だった……。
一方、いたたまれなくなった唯は、事故に巻き込まれそうになったところを有友に救われ……。

吹雪の中、有友と夜を過ごした唯。それを目撃してしまった誠。
美佐子が誠の父を追ってアフリカへ旅立った今、二人の間に、ぎくしゃくした空気が流れていた。
唯には有友が、誠にはいずみが自然と寄り添うようになっていた。
が、それぞれの表情は晴れない。唯は悩みの末に……。

見事に優勝したいずみは、唯からの差し入れに彼女の思いの深さを知る。
いずみは涙をこらえ、赤いマフラーを誠に返した。だが、その頃旅立ちを決意した唯は空港にいた。
それを知った誠は、マフラーを手に空港へと急ぐ。「行くな、唯！大好きだ!!」その声は唯に届くのか……？

唯と誠の関係は、唯が八十八学園に転入してきたときから動き出していた。
新たな構想で出会いからを丹念に描くエクストラシリーズ第一弾。
コンビ二のマドンナ・ひろ子、そして地味な格好で花壇を世話する加藤みのりの二人と仲良くなる誠だったが……？

八十八学園に転校してきた唯は、まっすぐに誠を見つめていた。
戸惑いを感じた彼は、逃げるように温泉旅行へ向かう。
唯もまた温泉へと向かうが、誠は旅先でも様々な女性と出会っていた。
バスガイド・野々村美里、旅館の女将、そしてその娘・永島久美子。未来へと繋がる道はどこに？

お互いの気持ちを確かめた唯と誠だったが、お互いの親同士の結婚が具体性を帯びてきた。
唯はほんとうの兄妹になってしまうことに危機感を抱く。
一方、誠は杉本桜子と想い出を話し込むが……。
桜の舞うチャペルに響くウエディング・ベル。その時、唯と誠がたどり着いた結論とは!?